タイガースファンになって55年の間には、どうせ負けるんやから見るなと言われたこともありました。こんな弱いチーム応援してたら人生負け犬になるぞと言われたこともありました。それでもトラ命で暗黒時代も乗り越えて来た私にはリーグ優勝が信じられず、いずれ夢から覚めると覚悟していました。ごめんなさい。私が悪かった。うちの子たちはほんまに強かったんです。バックスクリーン3連発のホームランバッターがいるわけやなし、速球で完投する絶対的エースがいるわけやなし、それでも魔法にかかったみたいに、いつのまにか勝ってしまう。
日本シリーズはさすがの強敵で鳥肌が立つような好ゲームばかりで、夢を見てる暇なんかなかったです。桐敷君や森下君の安堵の涙も、宇田川君や宮城君の悔し涙も、唇を噛みしめてバットを振る大山さんも、日本最後のマウンドで好投した山本由伸さんも···敵も味方もみんな孫を見るように愛おしかったです。もう勝ち負けを越えたところで、11月までこんな素晴らしいゲームで貰い泣きさせてくれた両チームに、賛辞と感謝を送ります。ありがとう。タイガースファンであり続けることが私の誇りです。
(入居者K.N.)