京都: 2024年3月アーカイブ
《雛祭りと甘酒会》
この4年間、コロナ禍で中止されていた雛祭りが、3月3日に復活しました。里の入居者は、桃の節句を迎えると、「やっと春が来たねぇ・・・」と心も浮き立つようです。CC棟と中食堂には7段飾りの雛人形が、また喫茶だんろと管理事務所には一対の大型の雛人形が一ヵ月前から設置されました。入居者は雛人形の前で足を止めて、子供の頃を懐かしむように見入っていました。屋内飾り台の一部には、入居者から寄贈された可愛らしいミニチュア雛人形や流し雛も飾られました。
雛祭りに付き物は甘酒です。これまで大食堂で行われていた甘酒会は、今年は会場を中食堂に移して開催され、それに伴い趣向を凝らした出し物が登場しました。模擬の釣り堀が会場に設けられ、参加者が皆で魚に見立てた「雛あられのくじ引き券」を釣り上げるのです。当たり券を釣り上げた人は大袋の雛あられを、外れ券の人は小袋をもらいます。皆でワイワイ言いながら当たり券を釣り上げるのに一生懸命でした。
そして、「雛あられ」を食べながら、食事課の手作りによる「麹の甘酒」を頂きました。この甘酒がとても美味しいのです。私と妻は普段、お酒は飲まないのですが、「麹とろみの美味しさ」に誘惑されて、お代わり分を居室まで持ち帰って飲んでしまいました。甘酒会は午後3時のおやつの時間帯でしたが、皆と一緒に談笑して、とても楽しい一時を過ごすことができました。準備をして下さった職員の皆様、有り難うございました。
H.T.&H.Ⅿ.(入居者)
私は岡山の田舎で育ちましたので、ひな祭と言えば山すその畑の桃の花を思い出します。
当時は4月3日がおひな様のお祭で、丁度、桃の花が咲き始めていました。ひな飾りも
きれいな着物も嬉しいものでしたが、今、私が一番思い出すのは当日の山遊びです。
近所の子供達だけで裏の山へ遊びに行くのです。
濃い赤紫の山つつじの花の下をぬけたり、不思議な色かたちの春蘭を見つけたり
お弁当を食べたりして夕方まで過ごします。
今思うと、のどかでにぎやかでちょっぴり秘密めいたりしていて
楽しく幸せな気分でした。
きっと大人達が見守ってくれていたんでしょうね。
(入居者)
ゆうゆうの里サークル・美術ラボで作成しました。
100均のシンプルな木箱が布貼りを経て華麗にヘンシーン!
御殿に見立てた飾り箱には摘み細工の桃や橘を散りばめて
雛まつりムードを一層盛り上げています。
楽しい掛け飾りも添えて、小さな雅の世界を表現してみました。
( 入居者O.H )
私は8年前に里に入居した時に、老後の趣味として書道を始めた。
里の書道クラブで月2回師範の指導を受けるとともに、日本習字教育財団に入会して毎月
1回財団から送られてくる教本に記載の課題を財団の検定半紙に書いて財団へ送りそれを
財団の師範が添削して返送されるというシステムの下で、腕を磨いた。
腕を磨いたと言えば、聞こえは良いが、この頃は、私の最大の関心事は、自分の政治評論
を出版することであったので、書道への取り組みは二義的であった。
本格的に取り組むことになったのは、2023/8に最後の出版を終えた直後に財団から
7月号の添削結果が返送されてきたときである。
取り組み方も従来比倍増したと言ってよく、少なくとも毎月20日間は筆を握り1日1時間
以上は取り組んだ。本格的に取り組んだために、自分の中でも少しは上達したかなという
実感があったのだが、更に真剣に書道に取り組んでみようと思ったのは、2024/1に
財団主催の全国書初め競書大会に応募した自分の出品作品が「観峰賞」という財団創設者
の原田観峰翁の名前を冠した特別の賞を受賞したことである。
まさか、単なる趣味で書いている自分の作品がこのような賞を受賞するなど思ってもいな
かった。まさに青天の霹靂であった。
しかし、折角の受賞なので、これを生かさない手はないと考えて、今は毎日5時に
起床して、2時間ほど、漢字28文字(漢詩の七言絶句)を財団の検定半紙に
5枚書くようにして努力をしている。それは半年ほど前から、夜9時就寝、朝5時起床と
いう生活スタイルを確立しているからである。幸いに82歳の今、隠居老人らしくなく
健康そのものであるので当分の間続けることはできるであろう。
むしろ、書道に取り組むことが最大の生きがいになっているとも言える。
( 入居者 髙田輝男 )