定年後の趣味として始めた能面作りですが、能の世界に魅せられ、今では、能面作りがライフワークになりました。ゆうゆうの里内の文化祭にも出展してきましたが、毎日毎日少しずつ製作した能面や絵画を皆さんに知ってもらいたいと思い、今回初めて『能面・絵画展』を開きました。会場は、佐倉市民美術館前の「SAINT.Dスタジオ」で、9月8日(日)まで開催しています。
この能面の原型となる木材は、家内の実家を解体した時の梁なんです。この梁に印をつけ、削り出していくんです。
能の舞台で使われる能面は、材料は堅い木材ですが、不思議なことに様々な表情を見せてくれます。この「般若 (はんにゃ) 」は、一見怖いイメージがありますが、怒りだけでなく、鬼になってしまった女性の悲しみや苦しみが感じられ、せつない表情にも見えます。
今回は、能面に合わせ、絵画も描きました。
能面は左右が「非対称な作り」になっています。その違いは「陰と陽」とも呼ばれ、ほんの少しの角度の違いで、喜びや悲しみ、涙を流しているようにもみえます。女性の表情は、特に表現が難しいんです。
能面は、面 (オモテ) とも呼ばれますが、オモテに見せる顔をつけることで、ウラの顔を演じるというのも魅力なんですよ。
ゆうゆうの里に入居する前に、地元の神社の「江戸時代の獅子頭」を修復するボランティアもやりました。塗りの漆の色にも拘り、複製に2年かかりました。
何事もコツコツ積み重ね、達成したときの充実感は、ひとしおです。
ぜひ一度、実際に能面をごらんになってみてください。畏怖の念を抱くことはあるかもしれませんが、生きているかの様な表情を近くで感じていただけたらと思います。
(入居者E様ご夫妻)
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