明治時代に造られた外国製の鉄道橋と加古川の流れ

| | コメント(0)

今から130年以上も前に製作・架設された鉄道橋が身近に在りますので紹介します。

その鉄道橋は、神戸電鉄(以下、神鉄)

粟生線の終点・粟生駅の手前を流れる加古川に架かっています。

昨年、里のお花見ハイキングで「おの桜づつみ回廊」を訪れた時も電車で通っており、

ハイキングした場所から1kmほど下流の地点です。

下の写真は、その神鉄・加古川橋梁です。

全長229mの右側半分に見える青い三角形の形をしたトラスを有する部分

(以下、トラス橋)が、130年以上も前に造られた鉄道橋です。

01_7599水平.jpgこの青いトラス橋のルーツを遡ると、1885年から90年にかけて

英国で製造され、輸入された多数のトラス橋にあることが判りました。

このトラス橋の中から、退役となった3個のトラス橋が

1952年に神鉄・粟生線の加古川橋梁として生まれ変わったのだそうです。

この時のトラス橋3個は、その後45年ほど使用されましたが、

そのうち1個が老朽化により1998年末に架け替えられています。

従って、現在残っているのは2個だけです。 下の写真の青いトラス橋2個がそれです。

また、一番右の茶色い橋桁が1998年末に架け 替えられた新しい橋桁です。

02_3147.jpg

なお、取り外されたトラス橋は、補強・修復して

兵庫県立播磨中央公園内の歩道橋(播中おもいで橋)として再利用されています。

青いトラス橋を拡大して観察すると、リベットで連結された

レトロな構造体であることが判ります。

03_7582水平.jpg

背景に北播磨の山々を望み静かに流れる加古川を、

重厚な電車がそろそろと横切るシーンは、

神戸の山岳鉄道として知られる神鉄の力強いイメージとは

又違った長閑さ、ゆったりとした時間の流れを感じさせるものでした。

04_7601水平.jpg

この撮影地からは、地層がつくる凸凹と共に層状に美しい白波が観られます。

調べると、この加古川橋梁のすぐ上流側には、山崎断層帯の一部を構成する活断層

(三木断層)が伏在していることがわかりました。

ここに見える地層の凸凹は、遥か昔にこの活断層の動きによって地表に現れた地層が、

川の流れにより凸凹に形成されたものだろうと思うと、

見慣れた加古川の流れが新鮮に見えました。

入居者:K.I

コメントする

2025年7月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のコメント