食べることは、生きること。描くことは、繋がること。②

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そして『焼き鳥弁当』。

辞書を引きながら書かれたという小さな文字に、

それぞれのお菜への丁寧な感想が綴られています。

その丁寧さに、食べることへの敬意と、

描くことの喜びが感じられました。

251118焼き鳥弁当.jpg

食事と感謝のかたち どのスケッチにも、

必ず食事サービス課スタッフへの感謝の言葉が添えられています。

日々の食卓が、ただの栄養補給ではなく、

心の交流の場であることを教えてくれます。

Mさんは「スケッチを描くことで、食事を二度楽しめるのよ」

ともおっしゃっていました。

まさにそのとおりだと思いました。

一度は舌で味わい、もう一度は筆先で味わう----

その喜びが、感謝の言葉となって添えられています。

スタッフによれば、誤嚥防止のために、

麺類は別メニューで提供しているそうです。

たとえば、居住棟の11月11日の昼食が

「揚げ茄子のあったかとろろそば」の場合、

ケアセンターでは『豚汁定食』や太刀魚の胡麻照り焼きなど、

より細やかに配慮された献立が用意されているとのことです。

その一皿一皿に、見えない工夫と、

温かい手間が込められているのだと思いました。

お話の途中で、Mさんはふと笑いながら

「私はね、逝きたくても逝けないのよ」とおっしゃいました。

その言葉には、食堂スタッフへの感謝だけでなく、

日々寄り添ってくださるケアスタッフの皆さんへの、

深い信頼と温もりが込められているようでした。

「このスタッフの素晴らしさを、誰かに伝えたかった。

でも、なかなか機会がなく、もどかしかった」とも語られ、

今日、思いのたけを私に話せたことを、とても喜んでくださいました。

記録が届くことを願って この記録が、

どこかの誰かの心に、静かに届きますように。

届くまでには、少し時間がかかるかもしれませんが----。

【 入居者 M.F 】

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