食べることは、生きること。描くことは、繋がること。②
そして『焼き鳥弁当』。
辞書を引きながら書かれたという小さな文字に、
それぞれのお菜への丁寧な感想が綴られています。
その丁寧さに、食べることへの敬意と、
描くことの喜びが感じられました。

食事と感謝のかたち どのスケッチにも、
必ず食事サービス課スタッフへの感謝の言葉が添えられています。
日々の食卓が、ただの栄養補給ではなく、
心の交流の場であることを教えてくれます。
Mさんは「スケッチを描くことで、食事を二度楽しめるのよ」
ともおっしゃっていました。
まさにそのとおりだと思いました。
一度は舌で味わい、もう一度は筆先で味わう----
その喜びが、感謝の言葉となって添えられています。
スタッフによれば、誤嚥防止のために、
麺類は別メニューで提供しているそうです。
たとえば、居住棟の11月11日の昼食が
「揚げ茄子のあったかとろろそば」の場合、
ケアセンターでは『豚汁定食』や太刀魚の胡麻照り焼きなど、
より細やかに配慮された献立が用意されているとのことです。
その一皿一皿に、見えない工夫と、
温かい手間が込められているのだと思いました。
お話の途中で、Mさんはふと笑いながら
「私はね、逝きたくても逝けないのよ」とおっしゃいました。
その言葉には、食堂スタッフへの感謝だけでなく、
日々寄り添ってくださるケアスタッフの皆さんへの、
深い信頼と温もりが込められているようでした。
「このスタッフの素晴らしさを、誰かに伝えたかった。
でも、なかなか機会がなく、もどかしかった」とも語られ、
今日、思いのたけを私に話せたことを、とても喜んでくださいました。
記録が届くことを願って この記録が、
どこかの誰かの心に、静かに届きますように。
届くまでには、少し時間がかかるかもしれませんが----。
【 入居者 M.F 】



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