『希望のマーガレット』に寄せて

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『希望のマーガレット』に寄せて

文化祭作品展 展示会場で、このオレンジの花に目が留まりました。

どうやって作ったのだろう?

こんなに小さく色紙を千切って、重ねて、重ねて......

とても気になって、ケアセンターへインタビューに伺いました。

作品名は『希望のマーガレット』。

「希望」は、マーガレットの花言葉だそうです。

作品は4枚に分けて制作され、期間は約一か月。

レクリエーションの時間に、1枚を3〜4人で担当し、

最後に4枚が合わさり、一つの大きな花となりました。

合わせるまで、どんな絵になるのか分からず、

ドキドキだったそうです。

色の区別は、スタッフさんが台紙に文字で示し、

その上に色画用紙を千切って貼り重ねたそうです。

毛羽立ちが質感を高め、花の柔らかさを生み出していました。

千切ることが得意な方、糊付けを担う方――

こんなに小さく、しかもたくさん、

千切っては糊付け、千切っては糊付け......。

一か月の間には、体調が整わず参加できない日もあったことでしょう。

そばで見守るスタッフさんは、

「一つのことに皆で取り組むことで、交流が深まる」

と話してくださいました。

4枚を合わせ、最後に花びらの線を書き入れるのは、

スタッフさんのお手伝いだったとのこと。

最後の線――それは、スタッフさん(Kさん、Oさん)

がそっと描き入れられました。

お若いスタッフさんに、

「老人ホームで働くことに違和感はありませんでしたか?」と尋ねると、

お一人が答えてくれました。

「学生時代に同じような家庭環境だったので、

そういう違和感はありませんでした」と。

この言葉に、私は静かにうなずきました。

今の時代、どなたの家庭にも、弱者の存在があります。

実生活の中で、すでに経験を重ねている方が多いのだと、

改めて教えられました。

こうした導きは、どこかで学ばれたのですか?

福祉機器展などで目にし、身につけられたとのことでした。

この作品を通じて、スタッフの皆さんが日々研鑽を重ね、

介護技術を磨いておられることに、心から敬意を表します。

ありがとう。そして、これからも、どうぞよろしくお願いします。

【 入居者 M.F 】

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