食べることは、生きること。描くことは、繋がること。①
訪問のきっかけ
今日、ケアセンター本館にお住まいのMさんを訪ねました。
先日の展覧会で、食事のスケッチを出展されていた方です。
どうしてもお話を伺いたくなりました。
居住棟で暮らす私は、
ケアセンターの皆さんのことをほとんど知りません。
思い出すのは、20 数年前、認知症の母が介護されていた日のことです。
母はスタッフの皆様に本当によくみていただきました。
それは間違いありません。
母が施設に入った日、末の娘が涙をこぼすばかりで、
私に叱られていた姿が、今も胸に残っています。
今日、Mさんを訪ねて本当によかった----そう感じました。
あの娘が、今のケアセンターの様子を見たら、何と言うでしょうか。
Mさんのスケッチと語り M さんは91歳になられたそうです。
食事のスケッチは、お身内の5歳のお子さんとの
絵手紙のやりとりがきっかけだったとのこと。
その交流が、今も創作の源になっているのかもしれません。
今回、いくつかのスケッチを拝見し、数点を頂戴しました。
まずは『あんこう鍋』の二枚。
キュートなあんこうが、舌にとろけるうま味へと
変わっていく様子が生き生きと描かれています。
「有難いことです」というMさんの一言は、
食堂スタッフにも、あんこうにも向けられているのでしょうか。
その言葉には、ユーモアと感謝が同居していました。


次に『鰻重』。
「鰻のたれの輝きが出せなくて残念」とおっしゃっていましたが、
鰻の力でしょうか、十分に照りが感じられる、力強い一枚です。
見ているこちらのほっぺたが落ちそうになります。

【 入居者 M.F 】



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